重曹とクエン酸って、お掃除に使うと汚れがよく落ちて便利!なんてテレビや雑誌でよく目にしますが、実際使ったことはないし実はどんなものかもわからない…。
そんな人もきっといるはず。特に若い方はあまり知らないかもしれませんね。
今回はそんな重曹とクエン酸の正体や、効果的な使い方を説明します!
目次
重曹ってなに?
ではまず、重曹とは一体何なのかというところから説明しますね。
重曹とは天然のミネラルで、炭酸水素ナトリウムという弱アルカリ性の物質です。白く細かい粉末状で、人体に無害な物質であるため入浴剤や胃薬、野菜のあく抜きやベーキングパウダーとしても使われています。
重曹は弱アルカリ性で、酸性の汚れを落とす中和作用と、結晶が丸く、細かい粒子がクレンザー代わりとなる研磨作用、いやなにおいを吸収する消臭・吸湿作用や、そのほかにも発泡・膨張作用など様々な働きをしてくれます。
弱アルカリ性の重曹は油汚れやコゲ、手垢・皮脂、生ごみ臭や腐敗臭といった酸性汚れと臭いを中和して落とします。
クエン酸ってなに?
では次に、クエン酸の説明をしましょう。
クエン酸とはレモンなどの柑橘類や梅干しなどに含まれる有機酸の一種です。クエン酸には体の調子を整える効果があるので積極的に果物などから摂取したい成分ですが、実はお掃除にも使えるんです。
クエン酸は水に溶けやすく、酸性の水溶液で水垢や石鹸カスなどのアルカリ性の汚れを中和して落とします。無臭で揮発性がないため、掃除をしたところにそのまま酸の成分が残るので雑菌の繁殖を防ぐとともに、アルカリ性の汚れをつきにくくする作用があります。
また、アンモニアもアルカリ性であるため、尿汚れのつきやすいトイレ掃除にも効果を発揮してくれます。
重曹とクエン酸の得意な汚れ、苦手な汚れ
重曹とクエン酸は確かにお掃除には便利ですが、全ての汚れに万能という訳ではありません。それぞれに得意な汚れと苦手な汚れがあります。
重曹もクエン酸も使ったことあるけど全然汚れが落ちなかった!という方は、もしかしたら使い方を間違えていたのかも?
重曹の得意な汚れ・苦手な汚れ
重曹はガスコンロ周りや五徳の油汚れ、焦げ付き、お風呂の湯垢や窓ガラスなどの手垢をよく落とします。
研磨作用があるので金属のサビにも効果的ですが、磨いて傷をつけたくないものには要注意です。
苦手な汚れはアルカリ性のアンモニア臭や、炭酸カルシウムを含む水垢です。
クエン酸の得意な汚れ・苦手な汚れ
クエン酸はトイレの黄ばみ汚れやタバコのヤニなどのアルカリ性の汚れをよく落とします。
炭酸カルシウムを溶かす働きもあるので、電気ポットやケトル、シンクの水垢にも効果を発揮します。
苦手な汚れは油汚れやカビ汚れ。炭酸カルシウムが主成分の大理石は、溶けてしまうのでNG。銅や鉄に使用するとサビてしまうのでこれも避けた方が良いでしょう。
また、クエン酸自体は口に入っても無害な物質ですが、塩素系洗剤と混ぜると有毒ガスが発生します。「まぜるな危険」と表記されている洗剤とは絶対に一緒に使わないようにしてください!
重曹とクエン酸の効果的な使い方
ではここから、重曹とクエン酸を使ったお掃除のやり方を説明します。
まず初めに、掃除に必要な重曹水と重曹ペースト、クエン酸水を作って準備をしましょう。
重曹もクエン酸も粉のまま振りかけても使えますが、水に溶いておくと手軽にさっとかけたいところにかけられるので便利です。
- 水500mlに対して大さじ2杯程度の重曹を溶かし、よくかき混ぜます。(水1ℓの場合は大さじ4杯)
- 100均などに売っているスプレーボトルに詰め替えて使用し、1週間程度で使い切りましょう。
- 小さな容器を準備し、重曹3に対して水1の割合で混ぜます。
- よくなじんだら、少量をスポンジなどにつけて使用します。
- 容器で保存し、1週間程度で使い切りましょう。
- 水400mlに対して小さじ2のクエン酸を溶かし、よくかき混ぜます。
- 重曹と同様、スプレーボトルに詰め替えて1週間程度で使い切りましょう。
準備ができたら、いざお掃除です。
台所シンクのお掃除
シンクの汚れている所に重曹水、汚れがひどい場合は粉のまま振りかけて、濡れたスポンジで擦ります。重曹をきれいに洗い流したあと、クエン酸水をかけて布巾でキレイに拭きとっておくと雑菌の繁殖を防ぐことができます。
蛇口の水垢落とし
- 水垢のついているところにクエン酸水をスプレーします。
- ポンジで擦ったあと、布巾できれいに拭き取りましょう。
コンロの油汚れ
- 軽い油汚れの場合は重曹水をかけてスポンジで擦ります。
- ひどい油汚れの場合は重曹ペーストを塗るか、重曹の粉を多めにかけて、新聞紙でこそげとるようにして汚れを取ります。
- 新聞紙を捨て、布巾で拭き取って完了です。
排水溝のぬめり取り
- 排水溝に重曹の粉を2分の1カップ入れます。
- 次にクエン酸の粉を1カップ入れます。
- そこにお湯を入れて勢いよく発泡し始めたらフタをします。
- 1時間置いてからお湯で流しましょう。
洗面所の鏡の汚れ落とし
- クエン酸水を鏡に吹きかけます。
- 乾いた布でさっと拭き取って完了です。
バスタブの湯垢取り
- 重曹の粉をバスタブにふりかけます。
- 濡れたスポンジで湯垢を擦り落とします。
- 水で洗い流します。
トイレの頑固な汚れ落とし
- 汚れている部分にトイレットペーパーを張り付け、クエン酸水を吹き付けてクエン酸パック。
- 1時間ほど置いてからトイレットペーパーを取り、トイレ用ブラシで擦ります。
- 水を流してクエン酸を洗い落とします。これで臭いも取ることができます。
家電、リモコンなどの汚れ取り
- 乾いた布に重曹水を吹きかけます。
- 汚れている部分を拭き、その後別の雑巾などで拭き取ります。
窓ガラスの汚れ落とし
- 重曹水を雑巾にかけてガラスを拭きます。
- 汚れを落としたら、乾いた布で拭き取ります
こんな時にも重曹やクエン酸が使えます
お掃除に大変便利な重曹とクエン酸ですが、家の中や車の中でちょっと困った事態が起きた時にも効果を発揮してくれるんです!
子供が車の中で吐いてしまった
車酔いなどで気分が悪くなり、子どもが吐いてしまうことってありますよね。車のシートに吐かれると洗濯もできないし、酸っぱい臭いが残ってしまう…。そんな時は重曹を使いましょう!
- 吐しゃ物を新聞紙や雑巾などで取り除く。
- 重曹を吐しゃ物のあったところに振りかける。
- 5分ほど待って、掃除機で吸い取る。
- 重曹水を吹き付けて、消臭する。
- 重曹水を吹き付けたところに白く染みができたら、クエン酸水を吹き付けて中和する。
これで臭いも取れますし、シートの汚れも落ちます
ペットのドライシャンプー
梅雨時などにペットの臭いが気になるけれど、あまり頻繁に洗うのはペットが嫌がって言うことを聞かないし…。そんな時は重曹で、ドライシャンプーをしてあげましょう。
- ガーゼに重曹を包み、ポンポンとペットの体にふりかける。
- その後ブラッシングをして、最後に濡れたタオルで拭いて完了です。
汚れがきれいに落ち、臭いも少なくなります。重曹は口に入っても安全なものですが、ナトリウムが含まれるため、あまり舐めたりしないように気をつけましょう。
重曹とクエン酸を上手に使って快適に暮らそう
重曹とクエン酸を上手に使い分けると、その2つだけで家じゅうをきれいにすることができます。
今までお風呂用、トイレ用、台所用…などと分けて洗剤を買っていたと思いますが、重曹とクエン酸があればその必要はありません。それだけで節約にもなりますよね。
また、天然由来の成分なので安全性が高く、口に入っても害がないので小さなお子さんがいるおうちでも安心して使えます。
ぜひ重曹とクエン酸を使ってお掃除をして、ピカピカのお家で快適に暮らしましょう。