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『健康寿命』全国第1位の山梨県民 その理由は『無尽』と『読書』?!

『健康寿命』全国第1位の山梨県民 その理由は『無尽』と『読書』?!

『健康寿命』という言葉をご存じですか? 

健康寿命とは、健康上問題なく生活でき、介護や支援を必要としないで日常生活に制限のない状態のこと。
簡単に言えば、元気で長生きである期間のことになります。

そしてなんと!山梨県は健康寿命の長さが男女共に全国1位という結果が出ています。今回は山梨県がなぜ健康寿命が長いのか、その理由を探ってみたいと思います。

山梨の健康寿命はどれくらい?

山梨県の男性の健康寿命の変遷を見ますと、平成11年度で全国1位、平成22年では5位、平成25、28年度の調査では、また1位に返り咲き、常に上位となっています。そして平成28年度の男性の健康寿命は73.21歳でした。(全国平均では72.14歳)

一方山梨県の女性の健康寿命も平成11年度に2位、平成25年に1位、28度に3位とやはり上位を推移しており、平成28年度の健康寿命は76.22歳となっています。(全国平均では74.79 歳)

ではなぜ、山梨県はこんなにも健康寿命が長いのでしょうか?

山梨県民の健康寿命が長い理由をさまざまな角度から探ってみたいと思います。

検証その1 山梨をさまざまな角度から探る

公益財団法人 山梨総合研究所のホームページでは、なぜ山梨県民の健康寿命が長いのか、さまざまな仮説を立てて検証がされています。その資料を元にご紹介します。

一人暮らしの老人が多いから?

一人で暮らすということは、一人で家事をしたり、食事を用意したりしなければならないため、体を動かすという要因になるかもしれません。また反対に、家族と同居している場合は、介助を受けたくても受けられない状態でもありますから、健康寿命と何らかの相関関係があるかもしれないと考察しています。

しかし結果的には、女性について、一人暮らしの老人である率が下がると、健康順位が少し上がるという若干の相関関係がわかったくらいでした。

農業従事者が多いから?

農業に携わる人なら体を動かしているため、健康寿命に影響を与えているかもしれません。農業人口が健康に影響を与えているかと考察しましたが、しかし相関関係は見られませんでした。

食事との関連は?

山梨県が全国トップレベルの消費量を誇るマグロ、あさりの消費量と、そのほか野菜や食塩の摂取量からも選定して考察しています。野菜、マグロの摂取量は若干の相関関係が見られましたが、あさりと塩分は若干の伸びとして相関関係は見られず、という結果に。

肥満・喫煙・スポーツは?

そのほか、肥満率、喫煙率、糖尿病、スポーツ活動についても考察していますが、結局相関関係は見られませんでした。

結局、相関関係があるとされたものもありましたが、健康寿命はあまりに多くの事象に左右されるため、一概にこれが理由とは言い切れないという結果になりました。

あまりはっきりした理由がわからずじまいです。 果たして、山梨の健康寿命の長さの理由に答えはあるのでしょうか?

検証その2 『無尽』文化が長生きの理由?

山梨独自の文化として『無尽』があります。

もしかしたら、この無尽の文化が健康長寿に関係しているかもしれません。

無尽というのは、月1回程度、特定のメンバーで集まって食事や飲み会をすること。その時に食事代とは別にお金を出し合って積み立てて、メンバーが順番に使ったり、グループの目的のために役立てたりすることをいいます。

元々は鎌倉時代に始まった、庶民同士の融資制度です。冠婚葬祭などではまとまったお金が必要となりますから、困った時にお互いに助け合う互助制度として発達したんですね。それが今でも続き、お金の積み立てをしなくても一緒に食事をしたり、お酒を飲むという習慣が今でも残っています。

山梨で生まれ育った人ならば必ず何かしらの無尽に入っていると言っても過言ではないくらい定着している山梨の文化。

果たしてこれが健康寿命と関係してくるのでしょうか?

健康と長寿に関して研究をしている科学者達がいます。彼らは健康である人達が多く住んでいる地域を、特に「ブルーゾーン」と呼んでいまして、世界各国の長寿の人が多い地域を調べ、いくつかの共通する習慣を特定しています。

ブルーゾーン地域の人たちに共通している習慣は9項目あるのですが、その中から4つに注目してみました。

無尽の文化は、もしかしたらブルーゾーンのこの4項目に当たっているのかもしれません。

ブルーゾーンと無尽文化の関連性

1.「よく動くこと」

多い人は10もの無尽へ参加することもありますから、否が応でも動くことになります。外へ出るきっかけになりますね。

2.「適度に飲酒」

もうこれはいうことなし。適度に楽しくお酒を飲むって体にもいいんですね。

3.「生きがいがある」

無尽で仲間と飲み食いすること自体が「生きがい」の人もいるかもしれません。
定年退職した後も小学校や中学校の仲間と無尽を続けている人がとっても多いんです!その仲間たちと年に1度無尽で貯めたお金で旅行などにも出かける楽しみがあります。

4.「社会的集団に属する」

地域という「社会的集団」に属していると、自分がやらなければという使命感を持ったり、仲間と一緒に笑ったりして、前向きに生きることが健康に繋がっているかもしれませんよね。

無尽は、健康長寿の理由として、意外とあなどれないかもしれませんよ。

検証3 図書館が多いと長寿になる?

もう一つ、面白い考察があります。
これは2018年に放映された「NHKスペシャル」で紹介されたものです。

今は人工知能「AI」が発達してきました。
NHKは独自に開発した「AI」を使って、全国北は北海道、南は沖縄まで、41万人のアンケートを分析したそうです。それも過去10年分の65歳以上の大規模なアンケートです。600以上の質問項目から得られた、膨大な生活習慣や行動のデータをAIに徹底的に学習させ、その分析から、健康で長寿であるための共通する習慣がわかったのです。

その習慣はなんと「読書」!

読書の習慣が、運動よりも食事よりも大事だという結果です。

AIは人間のような固定概念がありませんから、思考の偏りがない状態でビッグデータから分析し得られた、意外な結果となりました。

では、果たして山梨県が長寿の理由と「読書」が結びつくのでしょうか?

山梨県と読書とどう結びつくのかと思いきや、なんと、山梨県は人口に対する図書館の数がダントツで全国1位だったんです。

人口10万人に対する図書館の数が、全国平均2.61のところ、山梨県は6.59と、全国平均の3倍近い数の図書館が山梨県にはあったのです。

そして山梨県の図書館司書数も全国トップクラスでした。

さらに面白いのが、運動の実施率が山梨県は全国最下位でした。

でも、運動実施率が最下位でも、図書館の数が多く、読書をする方が健康長寿だというのはなかなか面白い結果だと思いませんか?

大規模アンケートからわかったのは、本や雑誌を読む人は、ヨガや散歩のグループに参加したり、ほぼ毎日外出する、友人とよく笑う、など多くの健康要素に繋がっていたということです。逆に不健康要素とは全く繋がっていなかったとのこと。

読書というと特に運動をするわけでもなく、座って本を読んでいるだけという印象ですが、図書館に行くことや本を探すこと自体が運動になっているようです。さらに読書をすることで、知的な刺激を受けたり、健康に対して意識が高まったりした結果、興味が湧くことで行動へつながっているとのこと。

アメリカのイエール大学で発表された「読書と寿命」という論文では、本を読む人の方が2年近く寿命が長かったとし、性別や健康状態、財産、学歴に関係なく、本を読むことが長寿に繋がっていたと言います 。

心が動くと体が動くといいます。

本を読むことで、心が動き、やってみたいことが見つかったり、旅行に行ってみたいとなるわけです。 読書をすることでまず心を動かし、心が動くことで行動を起こすキッカケとなり、そして長寿へと結びつくんですね。

まとめ

山梨県は、健康長寿として全国トップクラスにありながら、今までなぜ健康なのかは謎でした。

今回、『無尽』という文化と、『読書』という習慣が健康長寿に繋がっているのかもしれないことがわかりました。

健康長寿にはさまざまな条件が重なってくるものなので、一概にはいえませんが、長寿の要素としては十分にあるのではないでしょうか。

『無尽』という、月に1度の集まりが人や地域との深いつながりを生み、笑顔と行動を促しているということ。

そして『読書』。

AI分析の結果『読書』が長寿に繋がっているという情報から、山梨県の図書館の数が全国1位という数字が浮かび上がってきました。

山梨県民の読書好きが健康長寿にも繋がっているなら、これからもう本を読むしかありません。

『無尽』や『読書』や普段の生活など、全てひっくるめてはじめて、山梨県は健康長寿になっているのかもしれませんね。

これからも、本をたくさん読んで、『無尽』で楽しいお酒を飲んで、元気で長寿になりましょう!

あ、くれぐれもお酒の量はほどほどに (笑。

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